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       いつから来た?

    高畑京一郎先生の「タイムリープ」です。今更かよ!って感じですね。
    今更説明なんていらないくらいの、ライトノベル界の傑作、なのですが自分は今まで未読でした・・・。知り合いからすすめられてこの度読了。
    普段は新刊ばかりで感想書いていますが、どんな媒体にしろ、やはり名作と呼ばれる作品と呼ばれる作品に触れるのは大事だなというか、いい読書体験になりますな。
    ラノベにしてはかなり昔の作品になりますが、面白いですわこれ・・・!



    今更ストーリーの説明とかいらないんじゃないのかなとは思いつつさらっと。
    ある時から主人公・翔香は、「明日」が「明日」じゃなくなっていた。
    彼女だけが、というより彼女の意識だけが狂った時間軸に突如放り込まれてしまいます。
    月曜日だと思って目覚めたのが火曜日だったり、階段から落ちたらもう別の曜日だったり。
    とまどうばかりの彼女は「未来の自分」かはたまた「過去の自分」から届けられた手紙を頼りに、クラスメートの若松和彦に助けを求めますが・・・その若松はクールでとっつきづらくて、女性に対しては特に距離をとってくる気難しいヤツで。
    翔香はこの不思議なタイム・リープから脱することはできるのか、というお話。

    相棒?の若松との交流を深めていく様子もかなりフィーチャーされているので、SF(少し不思議的な)要素は強いですがライトノベルらしい青春っぽさもかなり色濃く、シンプルかつテンポいいテキストと相まって実に読みやすかったですね。

    この作品の最大の面白さは、物語の構造。
    「タイム・リープ」というタイトルが示すどおり、主人公はなにもわからぬままに時間を飛び越えていく。それは何も情報が与えられていない読者も同じくドキドキさせてくれる魅力的な設定。
    バラバラに散らばったパズルのピースが、読み進めるにつれ細かく細かくハマっていく感覚はなんとも気持ちいいものでした。「あれはそういうことだったのか!」と何度思ったか。
    未来と過去が入れ替わったりごちゃ混ぜになってしまって時間軸が混乱しますが、普通じゃ有り得ないような形で情報が行き来する感じ、クセになる面白さ!
    むしろ故意にタイム・リープを利用しだした後半なんかはそれだけでテンションも上がる。

    しかし後半で惹きつけられるのは、実は随分と物騒な真相が隠されていたと判明してからの展開。明確な敵などが登場して、グッと明快さを増しました。むしろそこから目標に向けての主要キャラたちの連携が上手いこと取られれていくのがよかったなぁ。
    まずコンセプトが十分な面白さを発揮した作品ですが、同時に物語自体もよくできていたなと。

    1度読んだ後にまたさらりとですが2回目を読んでみたんですが、これまた面白い!
    何も知らないまま読み進めるのと、すべて知ってから改めて読みなおすのとでは、だいぶ感触の違ったお話になっているなぁという印象。まぁ時間軸シャッフルやってる作品ですし、当然といえば当然でしょうが。
    しかしオープニングとエンディングでつながる鮮やかな演出の妙技も味わわせてもらいました。
    これがまた悶えるくらいに気持ちよくラブいシチュでなー、もがががが。(でも改めて上巻冒頭を読むとおもいっきり張り飛ばされた若松くん可哀想でわろた)
    やっぱりこの作品は「物語を読んでいく」という読書における根源的な部分で快感を覚える仕組みがたくさんあって、そして入り組んだ設定もわかりやすく描かれている。そこが上手いポイントだなぁと!
    しかしあとがきは・・・ニヤリとしますが、毛色変わりすぐて戸惑ったw

    キュラクターの配置も必要最低限で、しかしちゃんと学生の生活感を感じさせてくれるいい塩梅。主人公の友達もなんだかんだでちゃんと役割が与えられていましたし。
    翔香のキャラクターはなんというか歳相応の女の子という感じで、幼さを感じてやや苛立った部分もありますが、リアリティはありましたし最後にはなんだかすごく可愛く感じてました。
    しかし若松くんなー、かっこ良すぎだろう!これは本当に頼りになりますな。頭キレまくりで作中最強キャラと言える。冷たいようでなんだかんだで世話焼きですしね。ツンデレか。
    あとなにげに主人公の母親が好き。
    異常事態だからこそ、翔香が日常にある母親の偉大さに気づくシーンもあったり。母親としてすごくいい立ち位置から主人公を見守っている感じが染みます。

    ・・・とゆことでそんな感じの小説。
    今更感想かいてもどうなの、という感じではあるでしょうけど、面白かったので書いておかないとなと。ちゃんと薦めてくれた人に感謝しておこう。名前だけ知ってる状態でしたけど、読めてよかった。
    青春小説としてもかなりいい出来でしたし、「タイム・リープ」という設定の活かし方が絶妙。
    とにかく、ワクワクしながら一気に楽しめる。
    今読んでもそこまで古くは感じないのも意外でしたが、ありがたかった。
    欠点は、読む前に口絵(本の頭にあるカラーページ)に目を通すと、なんとなく仕組みを察してしまうことくらいか。自分も言われて注意しましたけど、今から読む人はここあまり見ないようにすべきかも・・・。
    名作・傑作だと呼ばれるだけのことはある、いい読書体験させてもらいました。
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    2010.06.30 4period/.17
    漣です。
    さいきんは漫画ばっかりになってきてしまいました。6月読んだ小説は4冊です…。
    もうちょい頑張りたいとこです…。

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    今回は.17による自費出版小説「4period」について。
    自分もめったに同人小説は読まないのですが、これはなかなかいい本でしたので。
    2人の書き手さんによる、全4編のオリジナル短編集です。
    「4period」と題するとおり、一つずつ「終わり」を描いていく構成。
    また、それぞれのエピソードが少しずつ別の話で触れられていくので
    読み進めるたびにニヤリとできるようになってますw

    kobaxさんが手がけたのは「マーメイド、山へ」「ローランダ、空へ」「ガーゴイル、夜へ」。
    3篇合わせて120Pほどですが、どれも非常に切ない、より本のテーマらしい作品ばかり。
    特に「マーメイド、山へ」のラストシーンは素晴らしい。
    恋愛ではない、けれど確かな絆で繋がっていたはずなのに、どうして最後ですれ違うのか!
    作品のコンセプトは Period=終わり を描くことだと思うのですが
    自分はこの先もあることを、願わずにはいられません。
    ただ、2人でいることが本当に正しいのか、それを断言することも、できないよなぁ。
    あと「ガーゴイル、夜へ」は落とし所が上手い!
    もちろん切ない終わり方なんですけれど、二人は永遠を手に入れた。
    哀しい現実であることに間違いはない、けれど決して交わえぬ2人が掴んだものにしては、なかなか、出来たもんじゃないかとも思うのです。
     
    広瀬凌さんが手がけたのは中編「スーベニア、夜へ」。
    吸血鬼になったものの吸血鬼らしいことはなにもできない青年のお話。
    kobaxさんの文はポップで詩的でありましたが、広瀬さんはそれと比べると骨格のがっしりした文章を描く人のようです。
    じっくりと読ませる作りの作品で、わりと進行もゆっくり。
    けれど文章自体は非常にリズミカルなので、読むことそれ自体がなんだか面白い。
    もちろんストーリーも後半には大きく動き、なかなか熱い展開に入ります。
    パトリシアを巡るあれこれは、最後はなるほど、と納得。
    面白いのが、period、と銘打たれた本なのに、この作品は終わらない。
    メインキャラ2人ともが、ほとんど永遠の命を得ているのです。
    けれど同時に消えていく存在もあるわけで……如何様にも考えられそう。
    スーベニアというネーミングも、なんとなく深みを感じられて良かったです。
    消えゆく吸血鬼。けれど2人のおとぎ話は、きっと終わりない旅のまま。


    同人小説ですが、なかなかレベルの高い本だったと思います。
    ただ購入するチャンスが少ない本でもありますので
    偶然見つけることができたら、購入してもよろしいかと。
    なんにせよ、切ないお話が好きなら十分にハマる出来かと思います。


    スーベニアといい、ローランダといい、ああマーメイドもそうか。
    たぶん意図したことでしょうね。スピッツファンとしてニヤリとしましたw
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