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    どうもー漣です。
    自分で名乗っておいてアレですが、微妙に中2っぽいHNですね…。

    では本題。
    短編集はどう扱おうなぁと悩みましたが
    これは!と思う一遍を別個紹介していくのが分かりやすいかなと。
    そんなわけで今日は江戸川乱歩の短編小説「芋虫」です。

    江戸川乱歩傑作選 (新潮文庫)江戸川乱歩傑作選 (新潮文庫)
    (1960/12)
    江戸川 乱歩

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    いろんな本に収録されているので、わりと見つけやすいと思います。
    江戸川乱歩と言えば、子供向けミステリー小説の「怪人二十面相」「少年探偵団」や
    怪奇小説「人間椅子」などが特に有名ですね。明智小五郎なんかも彼が生み出しました。
    まぁそういうイメージが手伝って、なんとなく手を出しずらい作家の一人かと思います。
    ホラーとか怪奇とか、そういうのはちょっとなぁ、って人多いかと。
    そういう人にこそ読んでほしいのが、この「芋虫」です。
    …まぁタイトルからしてこんなんですけど、いい小説なんですよ!
    少なくともこの「江戸川乱歩傑作選」の中では
    最も美しく、愛を描いた作品だと思います。
    また文書の部分削除を求められた大戦時において、乱歩作品唯一の完全な発売禁止を強制されたのも本作。ようするにちょっと刺激的なのですね。

    <あらすじ> -Wikipediaより
    傷痍軍人の須永中尉を夫に持つ時子には、奇妙な嗜好があった。それは、戦争で両手両足、聴覚、味覚といった五感のほとんどを失い、ただ視覚と触覚のみが無事な夫を虐げて快感を得るというものだった。夫は何をされてもまるで芋虫のように無抵抗であり、また、夫のその醜い姿と五体満足な己の対比を否応にも感ぜられ、彼女の嗜虐心は尚更高ぶるのだった。

    障害者への虐待。
    まずこの作品を読んで感じる要素はこれです。
    絶対にあってはならない、けれど人間の醜い心は、自らと違う存在を見下そうとする時がある。
    たとえかつては愛した夫であろうとも。
    嗜虐的快楽を求めて非道を繰り返す奥さんの姿は、とても悲しいものです…。
    けど勘違いしてはならないのは、これはただグロいばかりの小説では決してないということ。
    虐待という非常にヘビーな要素を用いて、この作品は悲しく愛を語りかけます。

    夫をただの道具にしてしまいたい。真に何も出来ぬ、肉ゴマにしてしまいたい。
    欲情と興奮の最中、時子は恐ろしいことに自らの欲求を叶えてしまった。
    夫の目を潰すこと。
    そうすることで無常にも時子は、犯した罪の大きさに気付いてしまう。
    時を忘れて彼女は、自分が傷つけた夫の看病と、謝罪を続けた。
    それは同情か、後悔か、愛情か。
    彼の皮膚に繰り返し指でなぞった「ユルシテ」の文字。
    けれど夫はなんの反応も示さない―――

    結末は圧巻。人間の醜さを見せつけてきたこの物語は、悲しくも実に美しいラストを迎える。
    清い愛がページの隅々からあふれてくる…
    一言では語り尽くせないほどの、切ない愛情が染みる名シーンだと思います。
    人によるかと思いますが、自分は感動しました。泣きました。
    こんな綺麗な人間模様も書いてくれるのは乱歩は、という気分でした。
    苦悩、欲望、後悔…大きく揺れ動く時子の心理描写も鮮やか。
    時に激情に呑まれ、時にナイーヴな人間の気持ちをよくとらえていると思います。
    もちろん、醜悪な物語であることに変わりありませんが
    ただのグロテスク小説とは一線を画す魅力があふれる名作です。

    ホラー・怪奇小説は自分もあまり読みませんが
    そういう人にこそ、それらのジャンルの魅力を伝えられる作品。
    乱歩作品初めて読むぞー、って人にもいいと思いますし
    少し彼の作品を読んだことのある人には、新しい発見があるかと。
    一時間もあれば読めてしまいそうな短さの短編ですので
    眠れない夜なんかに読んでみるといいのではないでしょうか。
    …グロは絶対に無理、って人に薦めるのは酷かもしれませんが…。



    こちらのブログではこれが初めてのマトモな更新でしたが
    その本を読んでもらうための記事というわけで
    致命的なネタバレは避けるべきなんでしょうねぇ。
    気をつけて書かないといけませんね。ネタバレするときは白字にしたり。
     

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