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    タイム・リープ―あしたはきのう (上) (電撃文庫 (0146))タイム・リープ―あしたはきのう (上) (電撃文庫 (0146))
    (1999/05)
    高畑 京一郎

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    タイム・リープ―あしたはきのう (下) (電撃文庫 (0147))タイム・リープ―あしたはきのう (下) (電撃文庫 (0147))
    (1999/05)
    高畑 京一郎

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       いつから来た?

    高畑京一郎先生の「タイムリープ」です。今更かよ!って感じですね。
    今更説明なんていらないくらいの、ライトノベル界の傑作、なのですが自分は今まで未読でした・・・。知り合いからすすめられてこの度読了。
    普段は新刊ばかりで感想書いていますが、どんな媒体にしろ、やはり名作と呼ばれる作品と呼ばれる作品に触れるのは大事だなというか、いい読書体験になりますな。
    ラノベにしてはかなり昔の作品になりますが、面白いですわこれ・・・!



    今更ストーリーの説明とかいらないんじゃないのかなとは思いつつさらっと。
    ある時から主人公・翔香は、「明日」が「明日」じゃなくなっていた。
    彼女だけが、というより彼女の意識だけが狂った時間軸に突如放り込まれてしまいます。
    月曜日だと思って目覚めたのが火曜日だったり、階段から落ちたらもう別の曜日だったり。
    とまどうばかりの彼女は「未来の自分」かはたまた「過去の自分」から届けられた手紙を頼りに、クラスメートの若松和彦に助けを求めますが・・・その若松はクールでとっつきづらくて、女性に対しては特に距離をとってくる気難しいヤツで。
    翔香はこの不思議なタイム・リープから脱することはできるのか、というお話。

    相棒?の若松との交流を深めていく様子もかなりフィーチャーされているので、SF(少し不思議的な)要素は強いですがライトノベルらしい青春っぽさもかなり色濃く、シンプルかつテンポいいテキストと相まって実に読みやすかったですね。

    この作品の最大の面白さは、物語の構造。
    「タイム・リープ」というタイトルが示すどおり、主人公はなにもわからぬままに時間を飛び越えていく。それは何も情報が与えられていない読者も同じくドキドキさせてくれる魅力的な設定。
    バラバラに散らばったパズルのピースが、読み進めるにつれ細かく細かくハマっていく感覚はなんとも気持ちいいものでした。「あれはそういうことだったのか!」と何度思ったか。
    未来と過去が入れ替わったりごちゃ混ぜになってしまって時間軸が混乱しますが、普通じゃ有り得ないような形で情報が行き来する感じ、クセになる面白さ!
    むしろ故意にタイム・リープを利用しだした後半なんかはそれだけでテンションも上がる。

    しかし後半で惹きつけられるのは、実は随分と物騒な真相が隠されていたと判明してからの展開。明確な敵などが登場して、グッと明快さを増しました。むしろそこから目標に向けての主要キャラたちの連携が上手いこと取られれていくのがよかったなぁ。
    まずコンセプトが十分な面白さを発揮した作品ですが、同時に物語自体もよくできていたなと。

    1度読んだ後にまたさらりとですが2回目を読んでみたんですが、これまた面白い!
    何も知らないまま読み進めるのと、すべて知ってから改めて読みなおすのとでは、だいぶ感触の違ったお話になっているなぁという印象。まぁ時間軸シャッフルやってる作品ですし、当然といえば当然でしょうが。
    しかしオープニングとエンディングでつながる鮮やかな演出の妙技も味わわせてもらいました。
    これがまた悶えるくらいに気持ちよくラブいシチュでなー、もがががが。(でも改めて上巻冒頭を読むとおもいっきり張り飛ばされた若松くん可哀想でわろた)
    やっぱりこの作品は「物語を読んでいく」という読書における根源的な部分で快感を覚える仕組みがたくさんあって、そして入り組んだ設定もわかりやすく描かれている。そこが上手いポイントだなぁと!
    しかしあとがきは・・・ニヤリとしますが、毛色変わりすぐて戸惑ったw

    キュラクターの配置も必要最低限で、しかしちゃんと学生の生活感を感じさせてくれるいい塩梅。主人公の友達もなんだかんだでちゃんと役割が与えられていましたし。
    翔香のキャラクターはなんというか歳相応の女の子という感じで、幼さを感じてやや苛立った部分もありますが、リアリティはありましたし最後にはなんだかすごく可愛く感じてました。
    しかし若松くんなー、かっこ良すぎだろう!これは本当に頼りになりますな。頭キレまくりで作中最強キャラと言える。冷たいようでなんだかんだで世話焼きですしね。ツンデレか。
    あとなにげに主人公の母親が好き。
    異常事態だからこそ、翔香が日常にある母親の偉大さに気づくシーンもあったり。母親としてすごくいい立ち位置から主人公を見守っている感じが染みます。

    ・・・とゆことでそんな感じの小説。
    今更感想かいてもどうなの、という感じではあるでしょうけど、面白かったので書いておかないとなと。ちゃんと薦めてくれた人に感謝しておこう。名前だけ知ってる状態でしたけど、読めてよかった。
    青春小説としてもかなりいい出来でしたし、「タイム・リープ」という設定の活かし方が絶妙。
    とにかく、ワクワクしながら一気に楽しめる。
    今読んでもそこまで古くは感じないのも意外でしたが、ありがたかった。
    欠点は、読む前に口絵(本の頭にあるカラーページ)に目を通すと、なんとなく仕組みを察してしまうことくらいか。自分も言われて注意しましたけど、今から読む人はここあまり見ないようにすべきかも・・・。
    名作・傑作だと呼ばれるだけのことはある、いい読書体験させてもらいました。
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    自分のブログからの再掲。
    やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。3 ドラマCD付限定特装版 (ガガガ文庫)やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。3 ドラマCD付限定特装版 (ガガガ文庫)
    (2011/11/18)
    渡 航

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    やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。3 (ガガガ文庫)やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。3 (ガガガ文庫)
    (2011/11/18)
    渡 航

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       私はこ二ヶ月をそれなりに気に入っているのよ。

    「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」3巻が発売されています。タイトル長いので「はまち」とか「俺ガイル」とかって覚えるといいらしいです。
    今回は通常版と、ドラマCD付きの特装版の二種類で発売。先に言っておくとドラマCDかなり出来いいのでファンは買うべき。キャラソンも付きで、ボリュームもすごいです。
    当然自分も特装版を購入。こういう展開が起こるというのは、期待されていそうですね。
    そんな感じでガガガちゃんの稼ぎ頭に成長しつつある「俺ガイル」第3巻感想ー。

    青春とは嘘であり、悪である。『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』
    優しい女の子は嫌いだ。 『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』2巻



    2巻のラスト、しんどかったですねー・・・。しかしこれだからこの作品やめられない。
    甘いだけじゃないというところを見せつけましたが、そんなこんなで微妙にこじれてしまった八幡と結衣をどう修復するかというのが今回のメインテーマ。
    ちょうど結衣の誕生日が近いということでこれに合わせてアクションを起こそうとする奉仕部ですが、孤高をきどって友達付き合いが極端に苦手な彼らにうまくできるのか・・・?

    ●しかし今回、主役は由比ヶ浜結衣とおもいきや雪乃なんですよね。
    1巻のころは取り付く島もないといった感じの、ツンっていうかむしろ単純に主人公に興味だけなんじゃないだろうかこの娘はと思ったくらいのヒロインだったのですが、2巻3巻と来てだんだんと主人公との距離を縮めてきていますね。
    結衣へのプレゼントを選ぶ時、エプロン姿を八幡にほめられて照れてしまうところとか。
    どうしたんだ雪乃ー!そんな、そんなチョロいヒロインだったかお前はー!
    とうろたえましたが、作中でも触れられていたとおり、ラブいフラグは立っていなさそう?
    照れていたのは、気になる男の子に嬉しいことを言ってもらえたから、というよりは友達にそう言ってもらえたという喜びという意味が強いんじゃないかなと。
    友達同士の付き合いに慣れていない雪乃だからこその赤面ではないでしょうか。
    そう、雪乃に照れに「こいつ、もしや惚れてるんじゃないか」と勘違いしてしまうのは我々読者の悲しいサガ・・・!雪乃の、いやワタリンの手のひらの上で踊らされているんじゃないだろうか!あいさつしてもらえたからって勘違いしちゃうモテない中学生みたいな過ちを繰り返すのはやめるんだー!それは俺だー!

    雪乃が本当に八幡に恋愛感情を抱いてるのかもしれませんが、2巻までの流れを考えるとやや流れが急すぎないかなと思うのです。ここはやはり、「友達」として意識しだした、が正解?
    恋愛じゃなくても、彼らにとってその変化は非常に大きく大切なものです。
    個人的にこの作品に求めるのはハーレムではなく、友達がいない同士がちゃんと真正面から友達になっていく様子なのでムリに解釈してしまってる部分はあるかもしれません。
    ともあれ、4巻では気になる雪乃のバックボーンについて触れられそうで、今から楽しみ。
    あと蛇足ですけどツインテ雪乃がかわいすぎる。



    ●また、結衣とのストーリーも見逃せません。
    八幡と結衣は、とある事故の被害者同士で、実はつながりがあったことが明かされています。
    結衣は未だに申し訳なさを覚えているようで、そのことに八幡は違和感を感じだと。
    八幡自分に友達ができるはずもないって思っているから、由比ヶ浜が自分に親しくしてくれているのは単なる「同情」だからと捉えている。だってそうじゃなきゃ理解できない。彼は、友達になるということに理由を求めてしまう。そこが彼に友達がいない原因だろうなぁ。
    本当に青春を尊く思うから、薄っぺらいニセモノの青春ごっこがイヤで仕方ない。
    「青春潔癖症」とも言えるかもしれない彼は、たしかにむちゃくちゃ面倒くさい男ですが、だからこそ自分は大好きで。安っぽい青春に毒を吐き憎み続ける彼の姿勢は、ある種のカッコよさと潔さがあります。猜疑心まみれの理想家。
    しかしそんな彼が、ちゃんと1つの答えと居場所を見つけたのがこの3巻。
    気持ちいい興奮と、ラブコメとしてのニヤニヤが同居する、なかなかいいラストだったのでは。

    結衣ってなかなか珍しいポジションですよね。
    スクールカーストとしては八幡となんか付き合いがあるはずもない人物なのに。そこが彼女の不安定さで面白いキャラである理由なのですが、いずれこの不安定さが不和を運んできそうで怖くもあり。空気を読みすぎて不幸になりがちだというのは彼女の特徴。
    あと、3巻は結衣と雪乃の友情が順調に育まれていることも強調されていて、とってもほっこりしてしまいました。雪乃に飛びついてじゃれつく結衣にほっぺた落ちる・・・。

    ●そんな「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」3巻でした。
    メインとなる3人の関係が深まったことが印象的でしたね。
    特に雪乃!心開きまくり新しい彼女の一面も見れました。
    今回ヒロインに限って話を進めましたが、脱衣トランプらへんの材木座の叫びもアツかったですね!材木座はリアルにいそうなキャラでちょっと勘弁して欲しいくらいにイタい(見に覚えある言動がちらほら)のですが、好きなものを好きだと叫ぶ勇気は、とても大切。
    ラブコメではありますが、根っこはなんだかちょっと違う気がする作品ですねえ。
    4巻も楽しみに待ちたいと思います。人間関係の難しさと楽しさが味わえる。



    、ここからドラマCDのお話。
    このドラマCDがやたら出来がよくてビックリ。キャストもいいですしね。
    値段を考えても、相当オトクな特装版だと思います。箱も丈夫です。

    キャストは自分は不満もなく、かなり合っていると思います。さすがは作者も太鼓判のキャスト陣。八幡役の江口拓也さんは、彼のひねくれた感じがうまく出ててバッチリ。主人公が重要な作品なので、主人公の声があっていないと台無しの可能性もありましたが、これはかなり嬉しい。モノローグが多いですからね。
    でも一番面白かったのは材木座役の檜山修之さんかなぁw
    「ディバイディングドライバァァァー!」って叫ばせたいがためのキャスティングとしか思えませんが、他の所でも全体的にマッチしてて○。材木座のウザいテンションがすごくよく伝わって来ました。八幡と材木座のコンビはかなりお気に入り。檜山さんのこういう声ってこういうオタク男子と合うんだよなぁ。
    小町役の悠木碧もよかった。かわいいのにどこか小憎たらしい感じ。

    また、雪乃(早見沙織)と結衣(東山奈央)のデュエット・キャラソンもアリ。
    サウンドはユーロビートサウンドでテンションの高い一曲。
    クールな雪乃がノリノリで歌ってる様子が思い浮かんで笑ってしまうw
    雪乃は平常時もっとトーンの低い声だと想像していましたが、案外愛嬌のある風でしたね。
    結衣もバカっぽさが出てて満足。結衣はバカですからね。すぐいじけるし。かわいいな!

    3巻が面白かったのは、このドラマCDの満足度の高さもかなり影響あるかと。
    作品のファンならこのドラマCDを聞かないなんてもったいない!
    シナリオそのものは文庫の方にボーナストラックとして収録されているのも親切。
    無くならない内に買っておくことをお勧めしたい一品。



    ここから完全に余談。
    はがないこと「僕は友達が少ない」と同列に語られることが多い作品。
    まぁ1巻のときオビに平坂先生が推奨コメント書いてましたし、「友達がいない」「残念」「部活」と共通点を探せばかなりあるんですけど、はがないと俺ガイルってかなり違うと思うんですよ。
    はがないがリア充を目指すための作品。
    俺ガイルがリア充をバカにする作品。
    どちらが良いというわけではなく、スタンスが違う。読んでる時の居心地が違う。
    まぁどっちにしたって「友達が少ないだとかぼっちだとかって自虐ってるのに友達と超仲よさげじゃないですかー!」ということは言えますが、俺ガイルは根本的に、なんだろう、もっと性格が悪そうというか、カッコつけていうとシニカル。
    はがないがギャグとかである種の幼稚さを出しているに対して、この作品はもっと大人びた理由をつけて孤高を『気取ってる』作品だなと感じるのです。どっちにしたって残念だな。
    でもこういう、卑屈な構えで青春を描く作品がたくさんあるのは面白いですね。
    漣です。例によって自分のブログからの再掲。
    さくら荘のペットな彼女 5.5 (電撃文庫 か 14-14)さくら荘のペットな彼女 5.5 (電撃文庫 か 14-14)
    (2011/09/10)
    鴨志田 一

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       泣いて、笑って、騒いで、遊んで・・・・・・。

    5,5巻、ちょっと時期を逃してましたけど感想書こうかなと。9月に出ました。というかもう6巻出ちゃってますし・・・。
    5巻は衝撃的なラストで、はやく続くを読ませてくれー!というところですが、今回は番外編・短篇集となっています。電撃文庫MAGAZINEで掲載されたのが中心。加筆修正や描きおろしあり。
    ではさくっと感想書いていきたいと思います。

    ●神田空太の普通な1日。
    日常茶飯事のようにましろが起こるトラブルに巻き込まれる空太。非常事態が日常です。
    ぱんつすら自分で履けないましろですが、なんとぱんつを履かないまま学校に来てしまいました。無注意無警戒なましろなので、いつ誰に大切な部分を見られるともわかりません。
    なんとかましろのスカートの中を死守ししょうと頑張る空太でした。
    この作品としてはかなり基本的なドタバタ劇という内容でしたが、テンポよく進んでくれて読みやすいですねえ。短篇集のしょっぱなとしてテンションも高くスピード感あり。

    ●三鷹仁の大人への階段
    仁とその恋人との甘くエロティックな様子が垣間見える短編。
    これまでほとんど見えて来なかった部分なので、こういう視点の話が読めるのもこの短篇集の面白い点でしょうか。あとがきを読むと、このVer.は直接表現Verなんだとか。
    大人になりたいのに、なろうとしているのに、ままならない不甲斐なさ。結局まだ「子供」であることを盾に、守ってもらうことしかできない。「子供」の特権を利用するしか。
    けれど、この悔しさをかみしめてこそ、彼は前を向いて歩いて行くことができるんでしょう。
    留美さん出来過ぎなくらいいい女ですね。なんてカッコいいんだ。幸せになってくれ。

    ●青山七海の乙女なクリスマス
    恋報われないオーラがマッハな七海さんのお話。切ないけど、恋のために四苦八苦したりがんばったりする女の子のお話は大好物。
    「今日はさっきまで最悪な気分だったのに、たったの一言で最高の一日に変わってしまうのだから」というクライマックスの言葉が全てと言うか。恋は女の子を輝かせますね。

    ●もうひとつのクリスマス
    クリスマスの夜。仁と美咲はどんな夜を過ごしたのか。多くの読者が気になっていたところがついに読めたエピソード。5巻を読んだ今では、これすらニヤニヤ読めてしまうのですが!
    また仁たちだけでなく、ほかのさくら荘メンバーがどんなクリスマスを過ごしていたのか。場面はクルクルと変わり、いろんなシーンが描き出されていきます。
    リタちゃんとメイドちゃんのやりとりが個人的にお気に入り。あと先生コンビw

    ●住めば都のさくら荘?
    空太がはじめてさくら荘に来た日の話。美咲や仁との出会いが描かれます。
    初々しさが感じられる空太の様子にはニヤニヤしてしまいますね。
    個人的には生まれたてのメイドちゃんと空太のファーストコンタクトに笑ったw メイドちゃんそんなところまで再現してたのかよw
    そんな笑いもありつつ、全体的に時の流れを意識させられる、ちょっとノスタルジックなエピソードだったと思います。本編ではまさに今、3年生の卒業が間近に迫ってるタイミングですからね。
    なんでもないような日々の1ページにすらこんな甘酸っぱい気持にさせられる。青春とはいいものですな。さくら荘の連中はちゃんとみんなで集合写真とろう。



    という具合の短篇集第5,5巻。ここまで読み進めてきた読者にとっては、「見れて嬉しい」シーンの連続じゃないかなと思います。見たかった部分をすくいあげていく、いい一冊。
    本編はいよいよクライマックスに突入中ですが、さてさてどうなるやら。
    漫画版の1巻も発売されてますし、今度どんな動きがおこるのかも気になるところ。
    青春ムード満点でたまらないシリーズです。ましろちゃんかわいいし!
    やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。2 (ガガガ文庫)やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。2 (ガガガ文庫)
    (2011/07/20)
    渡 航

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       だから、いつまでも、優しい女の子は嫌いだ。

    たまにやるラノベ更新。
    今日は「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている」略して「はまち」、通称「俺ガイル」2巻。
    結構まえに発売されていたのに感想かいてませんでしたので、今回さらりとでも。
    どうやら次の第3巻には、ドラマCD付きの限定版の発売も決定したそうで。
    ブレイクの兆しがあるような・・・?ガガガちゃんがんばって!



    最近よく「残念」を掲げた作品を見かけるようになったような気がします。
    本作もその1つです。確かに残念なキャラクターが揃っています。
    それぞれのキャラクターが迷惑だし、面倒くさいし、わりとストレスたまったりすら。
    でもそれがこの作品の楽しさであり、キャラクターへの愛着もわきます。
    そしてこいつら、わりと本当に本気でダメで残念です。コメディとしても流して楽しむことが出来ないくらい、深刻にこじれていたりして。
    迷惑で残念でまちがっている。だから、思い通りにいかない。
    この巻のラスト、結衣との関係は近づいたようにみせかけて、最後は切なくケンカさせて終わらせたりします。なんでそうなるの・・・と思っても、それが

    本作に最も特徴的なのが、これっぽっちも恋愛的になびかないヒロインと、無駄に頭いいのに加えて捻くれすぎて友人づきあいを上手くやっていくつもりが毛頭なさそうな主人公。
    特にこの主人公が特徴的で、この作品の魅力の大部分を担っています。
    最近のラノベらしいフォーマットにのかってはいても、真髄は明らかにズレてる。
    心地よく冷めた空気をちゃんと纏ってくれているのが好きなところでもあります。
    ちゃんとぼっちとしての理論に力強く筋がとおっているというか、プライドを持って孤独を演じているというか。
    でも本当にテンポよく、マシンガンのようにギャグやパロネタを仕込んできているのも良いですよね。だから基本的には本当に明るい様子なのです。けれどふと影が差す。
    その切り替えと、2種類の空気のまじりあい方が絶妙かなと。
    青春のダメな部分を変に誇示はせず、けれど美しいものとして描くこともない。
    等身大に、どこか「まちがっている」青春ラブコメ。タイトル通り。



    2巻でメインストーリーにあった動きと言えば、八幡と結衣の関係の進展?でしょうか。
    2人を繋ぐ思い出が共有になったものの、それが良い方向に転がるとは限らず・・・。
    結衣ちゃんの、ビッチ風なのに乙女で一途なとことか、すんごいかわいいですんですが
    上にもちらっと書きましたけど、この巻のラストは胸がいたいってばよ・・・。

    また、雪乃の家庭事情の謎が表面化してきたというところも気になります。
    というか雪乃は、なんてなびかないヒロインだ!とニヤニヤしているんですが、むしろヒロイン分は結衣ちゃんが全部引き受けていて、彼女はもう1人の主人公ポジションでもあるのかなと。

    本格的に主人公の妹・小町ちゃんも絡んできているのも目新しい点であり、今後物語を動かすのに役割を果たすパワーと持ったキャラクターになっている気がします。楽しみです。
    ほかにもゲストキャラも増えてきて、より賑やかになってきた印象の第2巻。
    主人公やヒロイン2人の新しい表情も見えてきたように感じました。
    この調子で3巻以降も進んでいって欲しいですね。
    お久しぶりです。火澄です
    私の最後の更新が3/19、震災の後、あれから半年たったんですね

    私事ですが、社会人1年生として活動中です!

    今回読んだ本はこれです


    kokonotu.jpg

    九つの、物語/橋本紡

    書籍も持っていて、文庫版も持っているのにもかかわらず、ずっと読めていなかった作品。
    読もうにも手が止まってしまって放置状態でした。


    しかし今回橋本紡先生が「葉桜」を出版され、その直後からすらすら読めるようになりました。
    スランプだったのかな?とも思ったんですが、そのほかの作品は読めていたのでそれはないようでした。
    また、「葉桜」が出る前の状態で橋本紡先生の作品で読んでいなかったのはこれが最後でした

    なのでこの作品を読んでしまうと次読む作品に困ってしまうのでは?という働きが動いたのかな?と思っています。


    さて、感想。
    とても読みやすく、文章にすっと感情移入できる作品でした。
    この作品に出てくる文学はどれも読んだことはないですし、これから先、読むこともないと思われます。
    読んだことのない自分がこの作品を綺麗な形で捉えられている今、
    読んでしまったあとの自分がどう感じてしまうのか?

    あまり、考えたくないです。
    もしかしたら真逆の考え方になってしまうかもしれません、もちろん変わらないかもしれません。

    逃げ、ですね。多分。


    そして、料理にチャレンジしてみたくなりました。
    ので、明日、藤村禎文式トマトスパゲティにチャレンジします。

    材料はもう買ってあります。


    たくさんスパイスを使いましょう。
    いろんなスパイスを使いましょう。
    いつも違う味にしましょう。